DMに書かせて頂いた「センター見学の裏」についてお話致します。
日本から組合様や受入企業様がベトナムの送り出し機関を見学に行くことがあります。
流石に少なくなりましたが、今でも日本の国旗を持った実習生がズラーッと並び、一糸乱れぬ挨拶をするセンターもあります。
「組長の出所」ではないので、当センターではやっていません。
センターでは担当者から教育の特徴や理念などを聞き、「では、教室でも見学して貰いましょうか・・・」となります。
少し授業を見てもらった後、一般的に実習生との交流があります。
教室の前に立ち、お客様の自己紹介の後、生徒から質問があったりします。
「気の利いた質問が多いな〜」
「どの生徒もビックリする位日本語が上手だな〜」
と感じた事がありませんか?
これには「裏」があるのです。
まず、センター見学の日はお客様に「どのクラスに入ってもらうか?」を事前に決めておきます。
その場合、各クラスから優秀な生徒を集めた選抜クラスの場合が多いです。
担任の先生も見栄えがよく、日本語が上手な教師が臨時の担任になります。
※実際に以前私が勤務していたセンターも全てそうでした。
お客様への質問も事前に5問程度用意しておきます。
「この5問」は事前に先生が用意する場合もあります。(私がその担当でした)
・・・というのも、ぶっつけ本番で生徒に質問をさせると、
・日本は何月に桜が咲きますか?
・日本で美味しい食べ物はなんですか?
と言った質問が多くなってしまいます。
上記は教育の中で教える内容なので、知っていて当たり前の事です。
また、
担任:誰かお客様に質問がある人!
と言うと、一斉に実習生全員の右手が真っ直ぐに上がります。
担任:え〜〜とグエンさんどうぞ!
と生徒を指名します。
「え〜〜と」と悩んでいるフリなどしていますが、これも、事前にクラスの中で誰を指すか?決まっているのです。
その生徒はセンターの中でも抜群に日本語能力の高い生徒になります。
担任から「このクラスはみんなの日本語の25課まで終了しています」と説明されても、実際にはN3の勉強をしている生徒も含まれていますから、ペラペラなのは当たり前です。
そして、お客様が帰った後は「フ〜ッ」と生徒と先生は本当の自分のクラスに帰っていきます。
当センターでも「これ」をやってしまえば、高い評価をしてもらえるのですが、実際のレベルと乖離してしまいます。
ですから、お客様がいらっしゃった際に、私は「日本語が上手な生徒が多いクラスもあるし、少々頭の痛い生徒がいるクラスもあります。どのクラスをご覧になりますか?」とお聞きします。
センターにいる実習生全員、日本語が上手・・・と言う事はありません。
ベトナム国内での人材集めが難しい、今、一定数のある意味「落ちこぼれ」はいます。
これらの生徒への教育は絶対に「習うより慣れろ」です。これは、私だけの教育方法があるので、次回以降のDM(サイト)にて共有させて頂きます。